CarLife Style16たとえEVであろうとも、道を楽しみながら走りたい。クルマは道楽であり、だからこそ夢なのだから…

【Style16】大切な趣味・大きな夢編

たとえEVであろうとも、道を楽しみながら走りたい。
クルマは道楽であり、だからこそ夢なのだから…

ライター 夢野忠則

Gさんは、これまでGarenT Styleにご登場いただいたご入居者の方のなかでは、
いちばんお若い25歳。東京大学大学院で自動車の車体構造の研究をなさっています。
オープンカー好きな父の影響で、気がつけば自分もクルマ好きになっていた、
とおっしゃるGさんのガレージには、エンスー御用達の旧いMGミジェットと、
見たことのない小さなオープンカーが並んでいます…

「この小さいクルマは、ZERO EVという電気自動車です。
僕個人のものではなくて、大学のサークルで研究用に購入したクルマなんですよ。

Gさんは、東大の「UTECH」(ユーテック)というサークルに所属されていて、
コンバートEV(既存のエンジン車をモーターで走る電気自動車に改造すること)の
実験や製作に取り組んでいらっしゃいます。
過去には、フォーミュラカーをEV化してサーキットを走らせたことも…

「ZERO EVは、原付登録で公道を走ることができます。走行距離は30kmほど、
スピードは60km/hくらいは出ます。街中の使用に限定すれば十分な性能ですね。
将来的には、電気で走る超小型モビリティの時代になると思っています。
その理想的なカタチは、これくらいの大きさの二人乗りのオープンカーじゃないか、
と僕は考えているんですよ。」

ファミリカーではなくて、二人乗りのオープンカーですか?

「はい。EV普及のカギは、バッテリーの性能と価格にあると思います。
クルマが大きくなればなるほど、バッテリーの負担は大きくなるし、
そのぶん車両価格も高くなります。だから、ボディはなるべく小さいほうがいい。」

「そしてEVを普及させるためには、環境やエネルギーのことを声高に叫ぶよりも、
まずは、そのクルマそのものが『楽しい乗りもの』であることが大切だと思うんです。
楽しくなければクルマじゃない、と僕は思っていますから(笑)」

だから、電気で走る二人乗りのオープンカーを作りたい…
なるほど、クルマの本質をついた発想。オープンカーなら、電気をたくさん消費する
エアコンも不要なわけで、しかも二人乗りなら楽しいに決まっている。

将来は、そんなEVを開発するベンチャー企業を立ち上げるつもりです、とGさん。
それが夢ですか?とお尋ねすると、若きアントレプレナーは、にやりと笑いながら…

「いや夢は、12気筒のガソリンエンジンで走る国産のスーパーカーを作ることです。
その資金を稼ぐために、EVを作る会社を立ち上げるんですよ。
僕はEVが好きなんじゃなくて、クルマが好き。だから、楽しいクルマを作りたい。」

「その前に、MGミジェットをEVにコンバートしたくて、そのための車両を一台、
じつはすでに確保してあるんです。後輪を、それぞれ2個のモーターで駆動させて、
バッテリーも後ろに積んだRRの911みたいなスポーツカーに仕上げようかな。
グリーンのミジェットには、このまま乗り続けるつもりです。大切な趣味として。」

いかにも秀才らしい理路整然とした考え方と、いかにもクルマ好きらしい夢…
Gさんは、大切な趣味や大きな夢をかなえるために、まずはガレージを手に入れた。
小さなガレージから、世界的なコンピュータメーカーが生まれたように、
ガレントいう名のガレージから、夢あふれる自動車メーカーが誕生する日も近い。

 

 

夢野忠則/プロフィール
クルマ馬鹿サイト「BACCARS」主宰、NPO法人ココロードプロジェクト理事。
2005年より、ほぼ毎日書き続けるブログ「夢野忠則のクルマ馬鹿で結構!」は、
楽天ブログ(クルマ・バイク部門)でアクセス数日本一を記録。

 

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